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chapter9.さまよう刃

Bysasa



やぁ、少し時間が空いてしまったね。

今回も舞台は引き続きブラヴィルの地下の奴隷港。しばしお付き合いいただければ幸いだ。



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この街で人権を持つことが許されるのは、一流の娼婦や剣闘士のような、一握りの者のみ。

貧困格差の激しいシロディールでは奴隷ビジネスに手を染める貴族が数多く存在する。

今日もこの街は、奴隷貿易で潤っている。



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街の外れでもまた、性的欲求を満たしているものも大勢いた。

但し注意は必要だ。中にはこんなケースもあるようだからね。



奴隷調教師「ああ...すごくいいよ...お前たちを専属の奴隷にしてェぜ」

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吸血鬼のアスワン「そう?気持ちいい?もっと気持ちよくしてあげようか?ねぇウピオル」

吸血鬼のウピオル「そうだねアスワン、ただし、オプションになるけどどうしますお客サン?」

奴隷調教師「あ...あぁ!!ぜひ頼むよ!!特別な奴を...!!」

吸血鬼の二人「はぁーい...じゃあ遠慮なく...」






―――いただきます―――

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奴隷港のボスたちは焦燥していた。日々勢力を拡大している奴隷港の反勢力。

そのメンツの中にはここ地下アリーナのグランドチャンピオン、青鬼セルゲイ・グラ=ノブルや、
災厄の魔女と呼ばれる燻りの魔女まで加担したという噂が耳に入ったからだ。

そこで奴隷港を取り仕切る双子の兄、セニョーンは情報通の奴隷商人を招いて作戦会議を行っていた。



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奴隷商人(骸骨)「....それでなんとか助けて欲しいと僕らが呼び出されたワケ?」

怪しい恰好をした彼は奴隷貿易を取り締まる男。彼の素顔は誰も知らない。

いや、もしかしたら最初から私の書記を読んでくれているなら、いくつもの裏の顔を持つ男の存在に気が付いたかも知れないが。

ボスのセニョーン「ああ。おまえたちなら金さえ積めばどんなことでもやるだろう。力を貸せ」

サルモールの男「...フッ。金の亡者か。お前に似合いの通り名だな」

奴隷商人(骸骨)「まぁ、いいけど...それでご希望の商品は?」



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ボスのセニョーン「身体を劇的に強化できるクスリは無いか?」

奴隷商人(骸骨)「ああ。滋養強壮のポーションなら腕のいい錬金術師を知っているけど、紹介しようか?」

ボスのセニョーン「...いいや、もっと非合法なものがあるだろう。例えばヒストの樹液とか」

奴隷商人(骸骨)「耳がいいね。確かにウチで取り扱ってるよ。最近開発したヒスト・トキシンというものだけど。一時的に限界を超える力を引き出せる」

ボスのセニョーン「だそうだ。ダナ、分かっているな。吸血鬼隊は最後の砦、絶対に負ける事は許されんぞ」



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突然、闇の中から銀髪のノルドが姿を現した。以前傭兵を誘惑した吸血鬼だ。

サルモールの男「フム、女、どこかで会ったか?」

吸血鬼のダナ「あら、女性に名を尋ねる時は自分から名乗るのがマナーではなくて?サルモールさん」

サルモールの男「モルテノアだ、レディダニエラ」



吸血鬼のダナ「自己紹介の必要はなさそうね。ダナでいいわ。Mr.モルテノア。ここは私たち日の光に弱い者にとっては楽園。それに私にはここを絶対に守らなきゃいけない約束もあるのよ」

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怒りとも悲しみとも付かない表情を浮かべ、吸血鬼はヒスト・トキシンを受け取ると暗闇へと姿を消した。






サルモールのモルテノア「...副作用の話はしなくてよかったのか?二度と元には戻れないんだろう?」

奴隷商人(骸骨)「フフフ...それを話したら面白くないじゃないか」

サルモールのモルテノア「相変わらず趣味が悪いな」

奴隷商人(骸骨)「君がそれ言う?」









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舞台は変わり、窮地から復帰を遂げた傭兵のゾハル・マーベリック。

そこには彼の目覚めを今かと待ち望んでいた少女の姿があった。



リノン嬢「おはようおじさん、気分はどう?」

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傭兵のゾハル「悪くない。随分と寝ていたようだな」

長い眠りから傭兵は目を覚ました。多少の倦怠感はあるが、身体は傷ひとつなく全快している。

あれだけ深い傷を負ったというのに、まるで何も無かったかのようだ。これもヒストキンの力なのだろう。

すると間もなく、見慣れた顔の女性が病室へと駆け込んで来た。
アレクセイが吸血鬼隊に殺された後、レジスタンス隊を牽引してきたコリンだ。



レジスタンスのコリン「ようやく目が覚めたようだね。アレクセイの遺言通り、後はあんたに全て任せていいんだね?」

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傭兵のゾハル「...アレクセイの野郎。とんだ土産を残して行きやがって」

傭兵のゾハルは眉間に皴を寄せて得意の皮肉を吐く。

レジスタンスのコリン「作戦に移れば街は火の海になる可能性が高い。まずは監禁されている奴隷たちの救助が先決だよ」

傭兵のゾハル「あんた達はどうする?」

魔女アメリ「...私は幻惑の霧を消す魔術に取り掛かるわ。一緒に行けるのはここまで」

彼女の目的は奴隷港を取り巻く"幻惑の霧"を消すこと。

霧は階上のブラヴィルの街中まで及び、魔術で強固に張り巡らされたこの霧こそが、
長きにわたり奴隷港が帝国軍から姿をくらませられた理由に他ならない。



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レジスタンスのロメオ「...あんたを信じていいんだな?こっちは若干優勢だが勢力差は大きい。あんたが内側から霧を消せない限り、外部の援助は期待できないからな」

魔女アメリ「お好きにどうぞ」

オークのセルゲイ「...私は魔女の護衛に付こう。詠唱中は無防備なんだろう。間違いなく邪魔が入るだろうからな」

二手に分かれた作戦の幕があがった。



魔女アメリ「ところで、申し出は嬉しいんだけど、あなた本調子じゃないわね。雄牛の呪いを受けたの?ここで待っていても構わないのよ」

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オークのセルゲイ「気付いていたのか。だが、今やセニョーン達に脱走犯として指名手配を掛けられてる。どこにいても同じだろう。壁くらいにはなってやる」

魔女アメリ「あら、優しいのね」

オークのセルゲイ「フン、勘違いするな、こんな地底で燻ってるわけには行かないからな。自分の為だ」

深夜過ぎ、人目を避けるように動力室へと向かった2人だったが、夜目の効く吸血鬼にとってはまるで意味のない事。

セルゲイの心配は見事に的中し、入り口前では吸血鬼隊が待ち構えていた。



吸血鬼のアスワン「ほら、ウピオル、ようやく魔女達が来たよ」

吸血鬼のウピオル「うん、アスワン、二人とも美味しそうだね」

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そしてもう一方、奴隷解放チームも静かに動き出す。
ひとり、ふたりとイカれた調教師達に、監禁されていた奴隷達をゾハル達は解放して回った。

心身に深い傷を追った奴隷達のケアは想像より深刻だろう。それでも、命がある限りきっとまたやり直せる。

どこか他人事の様に感じていたゾハルだが、思わぬ人物に再会し、より身近な悲劇として体感する事となる。
数年前、ヒストの力で幻影を見せられた彼が、住人を手に掛けた村、ウォーターズ・エッジ。



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そこに住んでいたビーン・アメリオンの弟、タバサ・アメリオン。

彼はゾハルを実の兄の様に慕っていたのだが、ウォーターズエッジでのゾハルの住人惨殺を目撃し、
彼を憎むことを理由とし、別れて以来の再会だった。



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言葉巧みに彼の信用を勝ち取った、貴族のデリック卿は、彼を遊び道具に使った挙句、ここ奴隷港へ転落させた。

まるでOblivionの領域の様な、血なまぐさい死体の中で、ゾハル達は彼と再会した。





傭兵のゾハル「おまえは...タバサ‼︎タバサなのか...」

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奴隷のタバサ「...おじさんだれ?僕は145番。名前はないよ。僕を買いに来たの?」

傭兵のゾハル「おまえ何を言ってるんだ⁉オレが分からないのか?」

奴隷のタバサ「人が相手なら嬉しい。まだ穴は使い物になるはずだよ。痛いのはもう嫌なんだ」

リノン嬢「....酷いこと、されたの...ね」

まるで生気のない、虚な目で少年は呟く。体には痛々しい傷の数々。
ここでどんな目にあっていたのか想像するのは難しい。自分の感情を壊す事で今日まで生き抜いてきたのだろう。



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傭兵のゾハル「おいタバサ、まずはここから出るぞ!!」

奴隷のタバサ「だ...ダメダメダメ。そんな事したら"拷問看守"さんにお仕置きされちゃうよ」

そういうと表情を変えず、タバサは腹部を指さす。そこには無数の切り傷、縫い後、傷口は化膿しており、
治療をしなければ細菌病になるだろう。リノンの表情がみるみる青ざめて行く。

リノン嬢「おじさん、すぐに治療しないと...」



傭兵のゾハル「来いタバサ!!無理やりにでも連れて行くぞ」

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傷だらけのタバサの腕を掴んだゾハル。すると少年の顔色がみるみるウチに変わり、叫び出した。

奴隷のタバサ「キイィイイイィイイイイイイィイイィィイイイイイイイィィイイッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

傭兵のゾハル「クソッ...!!これじゃ外部の連中が聞きつけてすぐに囲まれるぞ」

タバサの口を押さえつけるゾハルだったが、信じられない力でこれをほどき、阿鼻叫喚の奇声を上げる。
よほどひどい目にあわされたのだろう。

リノン嬢「おじさん、わたしに任せて」

すると、リノンは泣き叫ぶタバサをそっと抱きしめた。



リノン嬢「大丈夫、ここにはキミに痛い事をする人はいないから...」

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体温というのは不思議なものだ。奇声を上げ続けていたタバサはスッと泣き止んだ。

表情は変わらなかったが、彼の瞳から、大粒の涙がこぼれた。

傭兵のゾハル「...おまえにはかなわねぇな」





レジスタンスのメンバー「ぎゃやあぁあああぁ!!逃げ...」

静寂を破ったのは階下から見張りをしていたレジスタンスの悲鳴。間もなく血しぶきが舞う。

ドシュッツ...!!

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ギシッ...ギシッ..ギシッ....

階段をゆっくりと上がり、現れたその人物をみて、少年は震え上がる。

異様な雰囲気を纏い、現れたのは拷問看守と呼ばれる人物。

奴隷たちの拷問を取り仕切る看守らしく、タバサもこの男によって拷問されたのだろう。



拷問看守「嬲る、奴隷、ナブる...ゥう」

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傭兵のゾハル「...リノン、そいつの手を引いて少し離れるんだ」

リノン嬢「ひとりで大丈夫?病み上がりだよ?」



傭兵のゾハル「ああ。機嫌が悪くて丁度良かった。すぐに終わる」

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いつも冷静な傭兵だが、珍しく怒りの表情をむき出しにした。

その獣の様な様子を見て、リノンは彼が歴戦の戦いを勝ち抜いてきた傭兵だという事を思い出す。



拷問看守「びぇあァアァァァァア‼︎」

叫び声を上げ、一心不乱に振り下ろされる拷問看守の出刃包丁。

蛇のようにしなる剣筋は特殊で、読みずらい攻撃だが、その太刀筋を完全にゾハルは見切っており、
紙一重でこれを回避する。



ブンッ‼︎‼︎

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―――そして体重を乗せた回し蹴り。

ドッ‼︎‼︎‼︎

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拷問看守「ぎゃえぁあああぁぁ‼︎」

傭兵のゾハル「痛覚はあるみたいだな。おまえが奴隷たちに与えて来た痛みだ、しっかり味わえ」

アイアンメイデンの棘に突き刺さった拷問看守は、もがき苦しむ。

体制も整える間もなく、傭兵の黒檀の長剣が喉元目掛け放たれた。



ザンッッッ‼︎

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たちまちの決着に呆気にとられるリノン。

リノン嬢「...すご...」

傭兵のゾハル「さぁ、行くぞ」

ゾハル達は路地裏を駆け抜ける。タバサを救出できたが彼の心は晴れなかった。

家族を奪い、まともな人生を奪ったのは紛れもなく自分だからだ。

盗品屋へ走る傭兵達。そこへタイミングを見計らった様に、ある人物が現れる。



パチパチパチパチパチ...

闇の一党チコリ「やっぱりあんた凄えな。人を殺す事に全く迷いがねェ。シシスに仕えるなら歓迎するゼ」

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かつて自分の家で召使いをしており、姉妹の様に育ったチコリとの再会だった。

裏の彼女の顔は闇の一党の暗殺者で、シシスの命により、リノンの両親をその手に掛けた張本人。

リノン嬢「チコリ...」

闇の一党チコリ「久しぶりだなァお嬢様。いい面構えになったじゃネェか。拷問部屋から逃げたと聞いて必死に探したんだぜ」

リノン嬢「よく私にそんな軽口叩けるね。それに今は取り込み中なの。あなたに構ってる暇はないわ」

闇の一党チコリ「つれねぇ事言うなよお嬢様。アタシの事妹みたいに思ってるって言ってただろうが」

リノン嬢「思ってたわ。でもあなたがした事は笑って許せることじゃない」

奴隷のタバサ「おねーちゃん?」

リノン嬢「大丈夫」

闇の一党チコリ「正式な場所で決着付けようぜ。それで仲直りってのはどうだ?クククッ」



リノン嬢「ふざけないで...全く笑えないわ」

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闇の一党チコリ「その憎悪に満ちた表情、たまらねェな。尻尾巻いて逃げンのも、その傭兵に隠れて震えてるのも自由だ。明日アリーナに来いお嬢様。決闘だ」

傭兵のゾハル「安い挑発だ」

リノン嬢「...分かってる。でもお父様とお母様の敵なんだ。わたしが勝ったらお父様とお母様の墓前で謝って貰うわ」

闇の一党チコリ「なんでも聞いてやんよ。万が一にもアタシが負けるなんて事ァねぇけどな」







リノンに決闘を申し込んだミコッテのチコリ。本名はヤ・チコリ・ボラタ。

他所の大陸からシロディールへ移り住んだ彼女の家族を、閉鎖的なブラヴィルの人々は拒絶した。

それでも真面目な父の蓄えもあり、数年はなんとか生活はできた。母が疫病で倒れるまでは。

後を追うように父が亡くなった。行き場を失ったチコリに目を付けたのは汚職衛兵だった。

そこから転がり落ちるように、チコリの生活は一変した。

容姿に恵まれているのは、ここブラヴィルではマイナス要素に過ぎない。

最初に彼女を‘’買った‘’のは奴隷港のボスの弟のタラース。



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処女好きの変態で、すぐに彼女は綺麗な体では無くなった。その後は何人客を取ったのかは覚えていないという。

反抗的な態度を見せれば、何度も鞭で叩かれ、飢えさせられた。



ボスのタラース「もっと苦痛の表情を浮かべておくれチコリ。キミのその表情が大好きなんだ」

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そんな中、彼女に希望の光を与えたのは常闇の父シシス。

間もなく、使いの者が現れ彼女に助言する。



マブーイ「ならば瞳をくり抜けばいい。シシスの元で仕えよ穢れし娘」

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彼女の奇行はタラースの興味を逸らすには十分だった。そして背中を向けたタラースに悲痛の短剣を突き刺した。

殺害には至らなかったが、シシスに気に入られるには十分だった。



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―――数時間後、居酒屋"またたび亭"ではリノンの決闘に向け、作戦会議が行われていた―――

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傭兵のゾハル「一応確認するが」

リノン嬢「なぁに?」

傭兵のゾハル「本当に行くのか?相手は素人じゃない。プロの殺し屋だぞ。今回のルールでは武器魔法は禁止されているが、相手が圧倒的に有利なのは分かるな」

リノン嬢「うん、分かってる。それでも行かなきゃ」



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傭兵のゾハル「そう言うだろうとは思っていた。おまえには基本の護身術は教えてあるが...」

リノン嬢「相手はわたしが格闘術を使えることを知らない。それをうまく利用する、だね」

傭兵のゾハル「手の内はギリギリまでみせるな。じゃあ、行って来い」







―――地下アリーナに歓声が響き渡る―――

普段は猛者達が血塗れの格闘を繰り広げるが、本日のゲストは華奢な女闘士。

いつもとは違う客層で観客席は熱気に包まれている。



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地下アリーナでは身元不明な連中も多く、通り名のアナウンスなどはなく、負けを認めた時点で勝敗が決する。



闇の一党チコリ「よく逃げなかったなお嬢」

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リノン嬢「言ったでしょ。絶対に悔い改めさせるって」

―――2人の姉妹の因縁の対決―――






地下アリーナの観客A「さぁ殴り合え‼︎キレイな顔をグシャグシャにしてやるんだよッ‼︎」

地下アリーナの観客B「いいぞ女ども‼︎鎧を脱いで戦え‼︎」

野次や罵声、セクハラまがいの言葉が飛び交う中、早速チコリの先制攻撃。拳がリノンの顔を掠める。

間髪入れずにチコリの中断蹴りが腹部に直撃する。



ガッツ!!

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なんとか立ち上がったが、既に蹴り一撃で膝が笑っている。

やはり闇の一党、動きに一切無駄がなく、格闘術でも問題なく殺されてしまうだろう。

リノン嬢「グッ...ぅぅ...いった...」

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闇の一党チコリ「オラ、よそ見してる余裕はねぇだロッ‼︎」

ゴッ‼︎

強烈なボディブロー。声にもならず、思わずリノンは地面に膝を付いた。



ゴッ‼︎ガッ‼︎ゴッ‼︎ガッ‼︎

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そこからはチコリの一方的な殴打、殴打、殴打、殴打...が続いた。

闇の一党チコリ「どうしたお嬢様ァ‼︎この前じゃただのいじめになっちまうだろうがァ‼︎客も満足しねぇぞッ‼︎」



リノン嬢「グッ...い...いたくないだから...こんな...のっ‼︎」

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闇の一党チコリ「いつまでその余裕が続くか楽しみだゼ!!」

奴隷のタバサ「おねーちゃん、このままじゃ殺されるよ。いいの?」

相変わらず、感情の変化はみて取れないが、タバサも思わず声を出した。

傭兵のゾハル「...」

傭兵はグッと拳を握りしめていた。

闇の一党チコリ「オラお嬢様ッ‼︎やる気がねぇなら客を楽しませてやれよッ‼︎」



リノン嬢「なっ...何する気っ⁉」

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羽交い締めにされるリノン。観客席は一層湧き上がる。

闇の一党チコリ「せっかく見にきた観客をもっと喜ばせてやらねェとなア...ククククッ」








場所は変わって、魔女アメリたち。幻術を解く為ボイラー室に向かう道中。

雄牛の呪いで鉛のように体が重くなったセルゲイに、姉妹の吸血鬼が一斉に襲い掛かっていた。

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アスワン「ホラ、ウピオル!チャンピオンがまるでサンドバックだ‼︎」

ウピオル「ねぇ、アスワン!口程にもないね!」

オークのセルゲイ「ぐぬっ...先に行け!‘’おまえ‘’の方はは魔法は使えぬのだろう⁉︎」



息も付かせぬ見事な連係がセルゲイを攻め立てる。

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魔女アメリ「...なぜ男というのは格好付けたがるのかしら。命を賭けるなんて流行らないわよ」

ウピオル「いいね!じゃあおまえの柔肌から先に切り刻んでやるわ‼︎」

魔女アメリ「舐められたものね」



―――燻りの魔女―――
その異名は、表のアメリの中に潜むもう1人の人格の裏のアメリの強さが故、そう呼ばれた。

その魔力は膨大で、彼女曰く、別の次元から永久的に供給されており、その魔力は尽きることがなく、
触れるもの全てを灰へと変える。



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そして、表のアメリの魔力はほとんどが燻りの魔女へと流出している。

だが、彼女は少ない魔力を全て使い、異界から世の理から外れた強大な力を持つものを呼び出す事ができた。

魔女アメリ「恨むなら私に刃を向けた自分を恨むのね」



―――創世の火を胸に抱く灼熱の王 廃塵に帰せ!イフリート‼︎―――

灼熱の炎の中から魔神が顔を出す。





そして奴隷港が燃えていく。

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next.後編

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Comments 6

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坂田  

グロテスク、かつハードな展開ながら美しいSSも素敵ですね
続きも楽しみです。 リノン嬢はどうなってしまうのか全裸で待機してます

2020/04/22 (Wed) 20:22 | EDIT | REPLY |   

敗残兵  

更新お疲れ様です。サルモールさん満を持して登場ですね、百鬼夜行のsasaリビオンでモルテノア氏はどういう方向性のヤバさを見せてくれるのか楽しみです。
サルモールでその上骸骨さんをして趣味悪いと言わしめる訳ですしね。その骸骨さん、一体何者なんだ(棒) ヒストを扱ってるそうですが…
ヒストと吸血鬼パワーの悪魔合体を果たすダナ様を誰が相手にする事になるのか。こちらも背景の掘り下げ共々気になりますね。

奴は3回連続で出演ですか、もう準レギュラーの域ですねw しかも読み返して気付いたんですが、3話の画像も奴の同伴版に差し替えられてるんですねw
この分じゃバラされてもアンデッドになったりおじさんの心の中に残留思念になってしぶとく残りそうな気もw ここまで使って頂けると言葉もありません、ありがとうございます。

タバサ君、まさかこんな事になるとは…流石デリック卿はやる事為す事いちいち悪でイカレてますねw きっとペンウッド卿やゴルソグ兄貴も相手にしたんでしょうね…
そんなブッ壊れタバサ君も落ち着かせられるリノン嬢の母性スキルの上昇ぶりには感嘆するばかりです…改心・救済フラグ有りの敵に効果抜群ですね。
拷問看守、堂々たる体躯とおぞましい外見とは裏腹に意外に控えめなtntnにギャップを感じてちょっと笑っちゃいましたw
手の付けられない強いマジ基地と弱い者虐めしかしない半端基地の境目はこういう所に出る、という事でしょうか(真顔

チコリちゃん口悪いですねぇ…イイですねぇ、罵詈雑言マシマシでチンピラまがいの言動。口汚いワルな女子は大好きです。
ボーイッシュでスポーティ的なキャラかと思いましたけど大人の色気系も結構イケますね、まぁワルな女はエロいですから当然ですね。
これには私のタラースもニッコリ。こういうキャラは無残に死ぬのが様式美ですけど、シリアスと血生臭成分を全部欲張りな兄貴に押し付けてしぶとく生き残ってくれませんかねww
チコリちゃんが改心or救済か死亡か、どっちの結末を辿るのかも気になりますね、リノン嬢なら生きて罪を償わせるんでしょうけど。

次はセラーナ嬢やモラグ・バルも登場して舞台がより一層エログロな方向で絢爛豪華になりますね、おじさんも満を持しての本気モードでしょうし。次も奴が出てきたりしてw
次回の話もそうですが、sasaさんが帰国できる日も待ち望んでおります。まぁ、状況が状況ですから色々と大変でしょうけど…お疲れ様でした!

2020/04/22 (Wed) 23:29 | EDIT | REPLY |   
sasa

Sasa.  

To 坂田さん

うああありがとうござります!
物語も佳境に入り、色々伏線を回収してくのはとても気持ちがイイです(゚∀゚)
地底なのでなかなか鮮やかなSS撮れないのがザンネンな所ですね。

リノンは果たしてみせものにされてしますのでしょうか...ヒロインなのに...wウチは油断してると危ないですからねぇ
ズボンは履いてお待ちくださいませ...

2020/04/23 (Thu) 09:25 | EDIT | REPLY |   
sasa

Sasa.  

To 敗残兵さん

毎度熱いコメントありがとうござりマス!敗残兵さん、著者より詳しいのでは説ありますからねw

>>サルモールのモルテノア
正体はもう決めてありますが、かなり強キャラの風貌...冷静で手のひらで操る系の悪者は大好きデス。今後も暗躍します。

>>チュルパン
画像の差し替えもバレてますねwゾハルとは顔見知りという既成事実をさらっと作っちゃいました。読み返して頂き嬉しみです。
お察しの通り結構お気になんですよね。軸がブレず迷いがないので、かなり苦戦するのではないのでしょうか?大暴れする日は近し...

>>タバサ少年
そこらへんはウェルカムしてるでしょうね。家族もあんな目にあった挙句なので、ちょっと可哀そうかなとは思ったんですが...ここはハードモード・ササディールということで...

>>リノン
精神力の強さが限界突破でいよいよ母性まで発揮しました...裏表なくいつも正面切ってぶつかって行きますし、ある意味おじさんより主人公っぽいですよね。

>>チコリ
口悪女としてはチュルパンとキャラ被り気味かなあと。ただ彼女はとても情緒不安定で脆いのが違いと言えば違いでしょうか。改心するのか、救済されるのか...それとも...
今回は観客(読者)サービスも忘れない暗殺者の鏡(`・ω・´)負けるなチコリ、もっとだ!!と思った方多いかも?w

>>後編
ほぼ大筋は書き終えてるので早めにリリースできるように頑張ります!
早く帰国して回らない寿司が食べたいですね!ありがとうございました!!

2020/04/23 (Thu) 11:22 | EDIT | REPLY |   

もきゅもきゅ  

No title

こんにちは。ようやく落ち着いた時間がとれたのでコメントにきました~_φ(。ε。 )
いよいよ作戦が発動して、それぞれ難局に直面したところ。コレからどうなるのか気になるところです。
気分は→続きマダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン」

それぞれのチームを時間連動させながら動かす描写って難しいですよね。
うちでもちょうどそれやったところなので、sasaさんの進め方もとても参考になります(シーンの切り方とか)。
そしてまさかの闘技場! 武器を持たない徒手でのキャットファイトとくるとは…(´◉ω◉` )
しかも因縁の相手。ファンタジー世界で定番の闘技場って面白いけど、対戦相手との関係性が
希薄だとノイズ回になっちゃうんですよね。そこら辺が巧く料理されているな~と感心しちゃいました。
などなど、楽しませて頂くと同時に自分の作品構成を見直す切っ掛けにもなって、2倍美味しかったです。

次、リノンちゃんはやっぱり剥かれちゃうんだよね?←え

2020/04/24 (Fri) 09:51 | EDIT | REPLY |   

Sasa.  

To もきゅもきゅさん

こんにちわぁ~忙しい中ご来店感謝感謝での二重の極みであります(古)

今回はえ?マジで続ききなるんだが...早く描けみたいな展開が多いですね。
前後編なのでワザといいところでぶった切ってる焦らし手法で...

本編だけだと一部の人間にスポットが当たってすぐに終了になっちゃうので、
色々スポット当ててみたり試行錯誤してみました(その結果がこの遅すぎる更新スピードなのですが...)

やっぱり奴隷貿易は闇ですし、ゾハル達は善行を行ってるのですが、
目線を変えてみるとある人々にとっては外来種の荒らしなだけだったりしますからね...

自分の構成を考えつつ読むというのは完全に物書きのスタンス...w

リノンちゃん、どうなるのでしょう...辱めを受けてしまうのでしょうか...
ヒロインなのにいつも散々な目に合わせてごめんと思ってマス(ノД`)・゜・。

後編も近いうちにリリースできるはずなので楽しんでいただければとォ

2020/04/24 (Fri) 18:27 | EDIT | REPLY |   

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