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Chapter28.夢魔襲来編②死の輪廻

2023年12月01日
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あなたとの記憶が全て消えたとしたら、それはもうわたしではないかも知れないけれど、きっと忘れない。
あなたに貰ったかけがえの無い日々を。あなたの温かなぬくもりを。

思い出も、現在も、未来も捨ててもいい。あなたの為なら。だから誰よりも長生きしてね。

リノン・チャール=ベルク


















にわかには信じられない光景が繰り広げられていた。静まり返った海賊船上で激しくぶつかり合う2人。
傭兵ゾハルに対し、様変わりしたリノンが激しい攻撃を加えている。

淫魔リノン「...なぜ攻撃して来ないの?かなり強いと聞いてたけど?」
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傭兵ゾハル「オレがおまえに刃を向けるワケがないだろう」

淫魔リノン「つまんないのー。そんな事言ってると死んじゃうよ」

ズンッッッ!!!!!!!!!!!!
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ゾハルが守りを緩めた瞬間、サキュバスの鋭い爪がゾハルの腕を貫き、おびただしい量の血が舞う。

傭兵ゾハル「ぐあッッッツ!!!!!!!」

淫魔リノン「...これで終わりね。最後に言い残す事は?」
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ゾハルにリノンが問いかける。妖艶な表情は恍惚に満ちており、かつての彼女はもういなくなった事を実感する。

傭兵ゾハル「必ず迎えに行く。だから待ってろ」
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淫魔リノン「...諦めが悪いのね。さようなら“おじさん”」
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リノンが微笑み、突き刺した爪を抜き取ると、ゾハルの身体は底の見えない暗い海へ消えて行った。




























話は数時間前へ遡る。

ガスパード海賊団を退き、宴で盛り上がるマイルズ海賊団達に、再び淫魔の影が忍び寄っていた。下級淫魔達を撃退したリノンとシャロン。
しかし、休む間もなく新たな敵が訪れる。

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エルフのシャロン「...ケガは?」

リノン嬢「平気。お姉ちゃんすごい強いんだね。財宝泥棒なんてやめたら?」

エルフのシャロン「あんたも見かけによらずやるわね。それより...」
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リノン嬢「うん」

顔を見合わす二人。周囲が異様な雰囲気に包まれる。彼女達の前に現れたのは、先程の下級淫魔とは打って変わり、明らかに異質を放つ3体の淫魔。

淫魔デリック「久しぶりだね。会いたかったよリノン」
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淫魔デリック。インキュバス、サキュバス達を総べる淫魔の王。眷属であるダナ、ドラッドを連れ再びリノン達の前に現れた。

エルフのシャロン「くっ...凄い圧力ね。毛穴がチリチリする。デイドラロードクラスかしら」

リノン嬢「...やっぱり生きてたのね」
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淫魔デリック「そんな顔しないでくれ。キミを迎えに来たんだ、リノン」

淫魔ダナ「久しぶりね、お嬢様。奴隷港以来かしら」
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淫魔ドラッド「そんな睨まないで。ゾクゾクしちゃうわ」
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リノン嬢「こんなにすぐ会えるとは思ってなかったわ。がっかり」

エルフのシャロン「あんた、どうやら相当あいつに気に入られてるみたいね」

リノン嬢「色々...あって」

うつむき、肩を落とし、黙り込むリノン。その表情は深い怒りと悲しみに満ちていた。
彼女は幼少期にデリックの命を偶然救い、そこから異様な愛情で執着されていた。奴隷港で散々な目にあったが、苦戦の末彼らを撃退した。

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エルフのシャロン「それ以上話さなくていいわ。ようするに敵ね」

リノンに深く聞くことはせず、双剣を構えるシャロン。

淫魔ダナ「...お嬢様、私達はあなたのに言ってるのよ」

リノン嬢「わたしの...ため?」

エルフのシャロン「耳を傾けちゃダメよッ!話術はそいつら悪魔の専売特許なんだから‼︎」
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淫魔ダナ「あなたの大切なおじさん、呪いが一気に進行して今や半身が鱗になっているでしょう?まるで“何か”に生命力を吸われてるよう」

リノン嬢「なんで...それを知っているの...?」

淫魔ダナ「フフフ...あなた達が新人淫魔と戯れている間に、男達はたっぷり絞らせてもらったわ」

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リノン嬢「おじさんに何をしたのッツ!?」

声を荒げ、いつもの温厚な彼女からは想像できないような怒りの表情を見せる。

淫魔ドラッド「あの傭兵さんなら“私たち”は何もしてないわ。なぜ彼が衰弱しているのかはあなたが一番よくわかっているでしょう?」

ドクン、ドクン、ドクン。心臓の鼓動が高鳴る。全身から冷たい汗が湧き出るのを感じる。

リノン嬢「違う...違うッッ...!!!」
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淫魔ドラッド「認めたくないのは分かるわ。私も最初はそうだった」

リノン嬢「だってわたしはッ...」

淫魔デリック「あなたの時サキュバス転生は奴隷港で完了していたのよ。引き剥がした表面はあなたが作り出した幻」

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呆然とするリノン。しかし、例えそれが真実だとしても、今はこの船を守らなければならない。ゾハルを、海賊達を。

リノン嬢「行かない!あなた達を信用する理由なんてない...」

淫魔デリック「聞き分けの悪い子は嫌いだな。いいかいリノン、キミに選択肢はないんだ」
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淫魔ドラッド「分かりましたわ、デリック様」

ドラッドが合図をすると、船室から一糸纏わぬマイルズ海賊団の船員達が次々現れ、隊列をなし、黙々と海賊船の舳先へ歩き出す。

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その異様な光景にリノン達は目を見開いた。

リノン嬢「ちょ...ちょっと皆!どうしたの⁉︎」

エルフのシャロン「明らかに普通じゃないわね。ロクでもない事考えてそうねッ‼︎」

シャロンは淫魔を統率しているデリックを狙って飛び込んだ。

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淫魔デリック「まったく...元気な子達だ。ボクの言うことを聞く気はないという事だね」

エルフのシャロン「当然ッッッ‼︎行くわよ変態首だけ男ッ‼︎」

彼を守るように、銀髪の淫魔が立ちはだかった。

淫魔ダナ「私達はあなた達の世界の理から外れているのよ」
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ダナはシャロン達の攻撃を紙一重で躱すと、魔法を展開した。二人の身体はたちまち宙へ打ち上げられ、強靭な力で首を締め上げられる。

淫魔ダナ「これが、私の過去を捨てて手にした力よ」

ミシミシミシミシッッ...
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リノン嬢「ゴ...ゴホッ...!!く...苦し...」

エルフのシャロン「くっ...なんて力ッ...」

淫魔デリック「...ダナくん、貴重な客人だ。あまり痛ぶってはいけないよ。おろしてあげなさい」

淫魔ダナ「...あなた達はそこで見てなさい。力のない者に選択肢などないのだから」

力強く、それでいて物悲しそうに語るダナ。まるで自分の過去を振り返る様に。そしてふたりを魔法の手枷で拘束した。

淫魔ダナ「マジカの籠った強力な手枷よ。簡単には外れないわ」

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エルフのシャロン「ちょっと!あんた達起きなさい!殺されるわよッッ‼︎」

声の限り操られてるマイルズ海賊団達に呼びかけるシャロンとリノン。しかし彼女達の呼びかけに全く応じない。

淫魔デリック「ボク達に精を抜かれた者は絶対に逆らえない...例えばここから飛び降りる首を括る、という命令にもね」

リノン嬢「だッ...だめッッ---‼︎‼︎」

サキュバスがパチっと指を鳴らすと、マイルズ海賊団達は次々と船首から飛び降りる。ボキボキィ...ミシィ...っと首が折れる音が響く。

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脚をバタつかせしばらくすると彼らが動くことは無くなった。

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ブンブンと首を振るリノン。真っ青に血の気が引いた表情で呆然としている。目の前で起こった現実を受け止められずにいた。

リノン嬢「な...なんてことを...」

エルフのシャロン「あんた達ッッッツ!!!!!!」

ガチャガチャを手足を動かすリノン達。しかし枷はビクともしなかった。激しく抵抗した二人の手足には枷が食い込み、血が滲み出ている。

淫魔ダナ「どうかしら?少しは話を聞く気になったんじゃない?」
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ギィ...ギィ...ギィ...と、吊られた死体が風に揺られている。ついさっきまで共に宴をしていた仲間達だ。

リノン嬢「...なんで...そんな酷い事するの...」

淫魔デリック「長時間の飛行は疲れるからね。ちょうど大きな船が欲しかったんだ」

リノン嬢「そんな理由で...なにも皆殺さなくていいじゃない‼︎」

淫魔デリック「いいかいリノン、彼らは養分でしかないんだよ?それにどうやら面白い呪いを受けている様だ。蘇ってはまた苦しんで死ぬ、死の輪廻なんて洒落てるじゃないか!」
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エルフのシャロン「...いかれてるわ」

リノン嬢「おじさんは...おじさんは無事なの?」

淫魔デリック「こんな時でもあの男の心配か...」

デリックは俯き、少年の様に不貞腐れてみせる。悪魔の意識の共有を望むが、リノンには到底無理な話だ。

淫魔ドラッド「それはこの“彼”の事かしら?」
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ドラッドの足元で倒れ込むゾハル。拘束され、衣類こそ剥かれているが、外傷的要因は見当たらない。

リノン嬢「お...おじさんッッッ‼︎おじさんを離してッ!!!!」
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淫魔デリック「解放してもいい。キミがボクを選ぶというのなら」

エルフのシャロン「リノン、冷静になるのよ。こいつら悪魔が約束を守るワケがない」

淫魔ダナ「フフッ、酷い言われようだわ。ただし忘れない事ね。その気になればすぐにそこの男を殺せるのよ」

リノン嬢「...言う事を聞けば...おじさんたちを解放すると約束できる?」

淫魔デリック「当然だ。キミに誓って、彼らに手は出さないと誓おう」

エルフのシャロン「バカッ‼︎私の話聞いてた⁉︎」

リノン嬢「...あの人が...おじさんがわたしの全てなんだ」

悲しくも力強い表情に、固い決意を感じ取ったシャロン。

淫魔デリック「...容易い事さ。だがいつまでもその男を引きづられても困る。以前のキミの記憶は全て消してあげよう」
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リノン嬢「......そ....それは...」

淫魔ダナ「あなたと離れれば、ゾハルの身体はすぐに回復するでしょう。解放してあげなさい。彼を大切に思うなら」

エルフのシャロン「卑怯な...このクソ野郎ッッ!!!!」

淫魔デリック「ボクなりの優しさなんだ。理解して欲しい」

リノン嬢「............分かったわ」

淫魔デリック「手枷を解こう」

リノンが力なく頷くと、背後から見慣れた亡霊が現れた。暗殺者のチコリだ。

亡霊チコリ「いいんだな。アタイは今のお嬢以外護るつもりはねぇ。ここまでだ」
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リノン嬢「.......チコリ、ごめんね。わたし...」

亡霊チコリ「何年一緒にいると思ってンだ。おまえならこの選択をするって分かってたさ、バーカ」

リノンの選択を確信していたチコリ。今まで見せた事のない優しい表情で納得した。

亡霊チコリ「アタイはおまえがおまえでなくなるなら、仕える意味はねぇ。もう自分の足で歩けんな」
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彼女は、すべてを捨てる選択肢を選んだ。この先に待つものは悲劇が救いか。淫魔たちの宴はまだ始まったばかりだ。














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sasanagare77
Posted by sasanagare77
どうもsasaです。円熟期以降のおぶらーであります。
当小話は先代モッダー様の恩恵を十分に受けており、
多大なる感謝の気持ちを忘れません。
Thank you so much.
All modder for TES4.

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